先日こんな本を読んでいますと紹介してからなかなか感想を書かなかったせいか、最近「あの本どうでした?」と訊かれます。
お待たせしました。やっと読み終わりましたよ!
著者が語る本物の「ノマド」と若者への警告
私が読んだのは、2013年3月15日に出版されたばかりの「ノマドと社畜」。
現在、イギリス・ロンドンで本場のノマドワーカーと多く接する谷本真由美さん(Twitter)が書かれています。
(ピンボケですみません…)
へ~、イギリスって国がノマドを支援しているんですね。
おかげでノマドワーカー(個人事業者)が多いようですよ。うーん、日本とは大違い。
著者の谷本さん曰く、
日本のマスコミで言われる『ノマド』はアフィリエイトやせどり、文筆業やデザイナーなど、雇われずに稼ぐ生き方が魅力的に取り上げられているものの、本物のノマドは大変厳しい世界。(要約)
とのこと。
ああ、たしかに…。
私もライター業で某メディアに記事を連載していたときは安めの原稿料でしたから、「記事を書くだけで生きていくのはかなり難しいなぁ」と感じました。
また、谷本さんはこんなズバリなことも言われています。
日本ではノマド(フリーランサーや個人事業者)向けの実践的なノウハウを、大学や政府が支援する機関などの、しっかりした組織が教える場が少ない半面、「ノマドになるノウハウを売る」という名目で若者をだまして、「ノマドになって有名人になった」「年収1000万円を超えた」「あなたも世界中を飛び回るノマドワーカーになれる」という甘い文句で、書籍やセミナーで儲けようとする人たちがいるようです。
(「ノマドと社畜」P.13より)
こう言われてしまうと私のこのサイトも否定されるようで胸が痛いのですが(もちろん騙すようなことはしていません)、たしかに谷本さんが語るような人たちは存在します。
私が会った人の中には「月収100万円稼いだ自分のすべてを教えます!」と言って、数十万円~数百万円もの高額のコンサル料を取りながら、何もしない…というひどい人も。
そうした人は2ちゃんねるなどの掲示板にさらされていますね。
また、谷本さんはこんなことも言われています。
セミナーの「客寄せパンダ」である名の知られた文筆家やテレビに出ている有名人、派手な宣伝で書籍を販売する「一見成功していそうなノマドワーカー」と直接会ったり話をしたいという人からは、一回数万円の会費を徴収して「相談会」を実施しています。
(中略)
しかし、そのような「教祖様」と会ったからといって、「ネギを背負ったカモ」である頭の弱い学生や会社員が、その日から個人事業者として稼ぐことができるようになるわけではないのです。
(「ノマドと社畜」P.14より)
「客寄せパンダ」って、たぶんあの人とかあの人とか…ごにょごにょ。
初心者さんから見ると、そういう人たちは「すごい人」に映りますから簡単に信じちゃうんですよね…。
で、言われるがまま高額なセミナーや塾に入ってしまいます。
谷本さんの言うように、多額を稼ぐ人に会ったからと言って必ず稼げるようになるわけではありません。
稼げる気にはなりますが。
とくに若い人は多額を稼ぐ人に心酔しないように気をつけてほしいですね…。
心酔する人たちを外から見ると、私は一種の宗教を見ているようで怖いです(汗)
そうした心酔する人を谷本さんはこう分析します。
「ノマド商法」のカモになる人は、(中略)非現実的で「お勉強」はできるけれど、世間知らずで自信満々の、頭でっかちな人が多いのかもしれません。「お勉強」ができるからといって自分は頭がいいと思い込み、思い込みが激しいため、親や親戚、経験豊富な人の助言があったとしても聞かないのです。そうした若者たちが、ノマドセミナーという名の貧困ビジネスの餌食になるのです。
(「ノマドと社畜」P.17より)
谷本さんの口調は厳しいですが、本を最後まで読むと「若者に失敗してほしくない」という愛を感じます。
私も同じ思いですね…。
若者に限らず、高額なアフィリ塾に入って稼げない人を多く見てきましたから(汗)
上の引用部分の後には、ノマドに心酔する「イタイ若者」の例が載っています。
どんなイタさか、本を手に取ってたしかめてください。
でも、そのイタイ若者の言い分や気持ちは分かります。
言おうとすることは分かるのですが、いかんせん実力が伴っていないのでダメっぷりが目立っちゃいますね…。
早く実力を付けて本物のノマドになれるよう祈っています。
「ノマドは実力主義社会」という現実を見よう
谷本さんはイギリスで働く本物のノマドワーカーやデータを例に、実力主義社会の厳しさや問題点、自分を磨くことの大切さなどを解説しています。
これがとても勉強になりました。
「プロとして技術を磨かないと生き残れない」の意見にも同意です。
アフィリエイトも同じで、プロ意識がある人とない人では数ヶ月後に明確な違いが出てくると私は感じます。
ちなみに、谷本さんは会社員もノマドも否定していません。
谷本さんは会社員としての働き方、ノマドとしての働き方の両方を取り入れていきましょう、と語っています。
会社だけに頼った生き方の危険性も説明されていました。
収入源を複数持つことで、どちらかがダメになっても安心、ということですね^^
「ノマドと社畜」ここに異議あり
うーん、イギリスのような実力主義社会が日本に到来したら、私は生き残れる自信がないです(笑)
今のうちに力を付けておかないとダメですね…。
「ノマドと社畜」からは危機感をいただきました^^
さて、一度読み終わってからパラパラとめくり直していると「谷本さんはあまりアフィリエイトに詳しくないのでは?」という印象を受けました。
というのも、イギリスのノマドについて事例やデータなどを示して語られた説得力のある後半部分に比べると、アフィリエイトやネットビジネスについての前半部分は「だろう」とか「なのでしょう」とか推測の書き方が目立ったからです。
(業界の有名人まわりを調査されている印象は受けます)
また、若者に警告したい気持ちは分かりますが、前述のノマドを勧める教祖様やイタイ若者など極端な例ばかり出されても…と(汗)
一応、アフィリエイトで生きている私は思いました。
アフィリエイターでまじめな人も少なからずいますからね…。
あと余談ですが…本の中で「バカ」と連呼する部分があり、執筆中に何かストレスが溜まっていたのかな、と心配になりました。
このノリが谷本さんの持ち味なのかもしれませんが、私は悪口苦手です(汗)
(ハードロックやヘビメタが趣味とのことで理解はできます)
まとめ
アフィリエイターでもプロ意識をもたないと生き残れませんね。
私は最近気持ちがゆるんでいたので、ありがたかったです^^
もし、日本でノマドとしての生き方が広まれば、いま多額を稼ぐ人たちが見せる「夢」は常識となって無価値になるでしょう。
そうなったとき、
- 果たして生き残れるのはどんな人か?
- 生き残るために何をすればいいか?
これを今のうちに考えておかないといけないのかも。
でも、ノマドのような生き方が広がるのも当分先かなぁ、と私は思います。
「会社勤めが安定、安心」「会社にいればなんとかしてくれる」みたいな考え方が根付く限りは、ノマドは増えずに現状とあまり変わらなさそうですよね。
とりあえず、「ノマド」なるものに心酔する前に現実を見ましょう。
興味があれば読んでみてください^^
余談
ふう、「ノマド」って書きすぎました(笑)
そういえば、私は自分をノマドとは一度も思ったことがありません。
そもそもカタカナ語が苦手なので、ブログでもメルマガでもノマドなんて一度も言ったことありませんでした。
でも、世間では流行っているんですね~。へぇー。
私が世間知らずなのか、異次元の世間なのか…。
とにかく、あなたが「ノマド」とやらを目指すなら本気で真剣にいきましょう~。