たまには昔話でもひとつ。メルマガではもう話したネタなんですけど、あれは今年のホワイトデーのこと。4ヶ月くらい前ですね。

私、メイドさんに狩られました。

出会いは突然に

カウンセラー業の仕事終わり、すっかり暗くなった街中を駅に向かって飲食店を探していたら、人通りの多い道で何かを配る女の子がちらほらと数人いました。まだ肌寒かったため、みんな薄いコート姿です。

近づくと、「どうぞー♪」と言いながら何かを出してくれました。ティッシュかと思って、もらったんですね。そうしたら。

「メイド喫茶いかがですか?^^」と、にっこり。

コートで服が隠れていて分かりませんでしたが、メイドさんだったようです。(あとでコートの中は私服と判明)

とくにメイド喫茶へ行きたい欲望は無かったのですが、ご飯を食べられることを聞いて、ホイホイついていきました。

そう、あんなことになるなんて思いもせず…。

お帰りなさいませ~

かわいい人に連れられて着いた先は、隠れ家的というより、思いっきり隠れようとしているお店でした。街中の人が往来する大きめの階段の下にドアがあって、「なんでこんなところに?」と思うような入口。アヤシイ。

「お帰りなさいませ、ご主人さま~」の決まり文句に迎え入れられると、予想外の狭さに驚き。カウンター席が10個くらいしかないんです。

そこではチャラチャラしたあんちゃん(客)と、メイドの格好をした女の子が楽しそうに話していました。

普段ゆるい生活を送っていた私でも、さすがに危険察知能力が働きます。

これはマズイぞ、と。

ぼったくり臭」がビンビンするのです。

席に座ってメニューを見れば、予想どおりのインフレ価格

なんですか、「ちゃーはん 1,200円」って。
なんですか、「サービス料10%」って。
なんですか、「王様ナントカ 8,000円」って。

まずい、まずすぎる!

生まれてこのかた、ぼったくりなど遭ったことのない私でも危険信号がMAXに。めっさ冷や汗ダラーンです。

でも、そこは生粋の草食系男子。逃げる術なく、謎の余裕をかまして「ちゃーはん、ひとつ^^」と頼んじゃいました。(逃げろ、まだ間に合うッ)

メイドさんとは似て非なるもの

で、その「ちゃーはん」とやらの生成方法がまたスゴイ。

カウンター内にいたメイドさん、こちらから丸見えの位置で思いっきり冷凍食品の袋を破って、音のならない電子レンジ君に食べさせました。

ゆ…夢がない!

いくらメイドさんとの近さがウリでも、電子レンジまでは見たくなかった!

しかも、私をお店に連行した女の子は「私もフロート頼んでいいですか?^^」なんて訊いてきます。「勝手に頼めばいいのに~」と思った瞬間、嫌な予感の第2波が。

手元のメニューに「1,000円」と恐ろしい値段が刻印されている魔界の飲み物こそ、女の子が頼まんとするフロートそのものじゃないですか!

「これは断らねば!」と察知し、さすが草食系男子な私は「どうぞどうぞ」とダチョウ倶楽部並の「どうぞっぷり」を発揮。

女の子は慣れた手つきでおちょこみたいなコップにジュースを注ぎ、「きゅっと一杯」なノリで飲み干します。

それ、1,000円するんだよ……お嬢ちゃん……。

悲しみに浸っていると、電子レンジ君が吐き出した「ちゃーはん」がハート型になって運ばれてきました(ハート型に整えているところも丸見え)。

「ここはキャバクラか!(行ったことないけど!)」と心の中でツッコミながら、仕入れ価格200~300円くらいに違いない冷凍食品を完食。

「信じられるか? これ、1,200円なんだぜ……」と、私の中のタッチな誰かがつぶやきました。

あれだ。きっと、私が食べる前に女の子が放った見えないおまじないに1,000円分の価値があったんだ。

くねくねしながら、「テキトーにかわいらしい言葉を並べとけ~」みたいなノリで放ったあのおまじないに、1,000円分の価値が……

あるかー!

「茶番は終わりだ。早くここから脱出せねば」と焦る私。しかし、ちゃーはんを食べ終わって気付けば、なぜか女の子にカウンセリングをしていました。

ほほう、定時制高校で悩みがねぇ。
えっ、高校生なの!?
へー、あのメイドさんと同じ学校で……え、仲悪いの?

なんて会話を小一時間。

気付けば新手のメイドさんも加わって魔の飲み物、フロートを頼んでるじゃないデスカ! 「2,000……3,000……まだ上がるのか……!!」とスカウターの故障を疑うサイヤ人のように、もう伝票を見るのが怖いよぉ~。

まだまだ話題を探したいけど万策尽きたメイドさんを前に(草食系男子の話題の少なさを甘く見たね?)、タイミングを完全に見切った(遅い)私は「帰ります!」と、女の子たちの上目遣いを振りきって脱出。

脱出直前、女の子たちの合体究極魔法「ぼったくり会計」が炸裂。

「6,710円です♪」

………。

私、なに食べたっけ。
「ちゃーはん」と「オレンジジュース」だけだったような。
それでも1,800円くらいだったような。
残りの5,000円はどこから出てきたん?

もう、わけがわからないよ……。

こんなの絶対おかしいよ……。

とソウルジェムを濁らせながら、お店のドアをくぐりました。風が寒かった。

リピーターになる人 ならない人

そんなこんなで、今年のホワイトデーはメイドさんに狩られて帰ってきました。めっちゃ心が寂しくなりました(泣)

おにょれ、彼女いない草食系男子の心を弄びおってー!(泣)
最近の女子高生はかわいいんだから、もうー!(泣)
カウンセリング代でこっちが5,000円ほしいよー!(泣)

そんな思いです(真顔)。

……で。

この話で重要なのは、「ぼったくりに注意しましょう」なんてことではなく、あのお店にリピーターがいたこと

私がハート型の冷凍食品をつついている間、少し離れた席では常連らしきサラリーマンがメイドさんに「あーん」してもらっていました。

なんてうらやま……じゃない。常連になっているってことは、あのぼったくり価格に満足しているってことです。

サラリーマンさんは、女子高生と1時間話したり、「あーん」してもらったりに5,000円払う価値があると感じています。

一方の私は、最初の目的が「夕食をとること」だったので、やけに高い冷凍食品に満足していません。6,700円あったら、いきなりステーキで最高級のお肉食べたYO!

でも、たしかにあの女子高生メイドさん……というか、あのお店のリピーター戦略は素晴らしかった。

メイドさんは一人ひとり自分のブログを持っていて、その日来たお客さんに向けてメッセージを書いているんです。その記憶力にあっぱれ。

そして、お客さんには帰り際「絶対にブログ見てね!」と言います。私ももちろん見ました。自分宛のメッセージは嬉しくなっちゃいますね!

思わずまた行きかけました( ̄ー ̄)

……もう行きませんけどね!

今回のメイドさん体験は、ブログ運営や情報発信にも通じると思いました。

リピーター戦略は立派でしたが、肝心の商品に価値を感じてもらえないのはマズくて。お金稼ぎに目がくらみ、変な商品をあおってムリに買ってもらえば、2回目はありません。私はもう二度とあのぼったくり店に行きませんもの。プンプン。

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追伸:
メイドさんのお店、潰れたようです。デスヨネー。

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