会社勤めから離れて数年。個人事業の働き方も慣れてきた私です。
さて、個人で情報発信していると初心者さんから相談メールをもらいます。内容のほとんどはノウハウを問うものです。私は答えられるものはできるだけ答えます。
ところで、昔から気になることがありまして。
それは……
「正解を求める人」が多い。
「正解を求める人」とはこういう人です。
たとえば、完全な答えを言っちゃうと相手のためにならないと思い、私が少しぼかして説明したとき。
私「もう少し報酬額の高い商品があるので、別のサイトで探してみましょう」
相手「それはAというサイトでBというキーワードで探せばいいですか?」
ハッキリと正解がわからないと満足しない人。これはまだいいほう。
深刻なのは、自分で正解をわかっているのに行動に移せず確認を求める人。
「こうしたいと思うのですが、合っていますか?」
「ちょっと不安なのでサイトを見てもらえませんか?」
「記事の書き方はこれでいいでしょうか?」
私は上司かっ。
会社なら作業の一つひとつに確認は必要ですが、個人事業主(社長)と個人事業主(社長)ではおかしなやり取りです。(コンサル契約も結んでいない相手に細かく聞きすぎるのは、相手の時間を奪うことになるのでマズイ)
とまあ、このような「失敗恐怖症」の人がいるのです。これ、ゆとり世代に限った話ではありませぬ。中年、年配の方にもいます。
(失敗恐怖症って本当にある言葉なんですね→ウィキペディア「失敗恐怖症」)
なんで正解を求めることにこだわるんだろう?
なぜ、執拗に正解を求めるのかな?
なぜ、それほど失敗を恐れるのかな?
「失敗恐怖症」の人を悪く言うつもりはなく、失敗恐怖症の人や正解を求める人の気持ちを理解したいために、小一時間ほど上の2つについて考えてみました。考えたことをここに書き残します。
(ひととおり考えた後に、上のウィキペディアのページに答えがちょっと載っててガッカリしたのはヒミツ)
私が妄想力全開で「正解を求める人」の気持ちになってみたところ、こんな考えや感情が浮かびました。
- 失敗したくない。完璧でいたい。
- 失敗したら恥ずかしい。
- 失敗したら誰かに迷惑がかかる。
- 失敗する自分を許せない。
- 失敗したら地位や信用を失う。
- 失敗したら時間がもったいない。
- 失敗したらお金を失う。
- 失敗したら自信を失う。
- 失敗したら体に傷を負う。
- 失敗したら心に傷を負う。
……つまり、失敗とは「痛み」であることがわかります。
周りからの痛みでも、自分自身で与える痛みでも、両方の場合も。「失敗=痛み」です。
上の考えが浮かぶなか、「じゃあ、最初から正解がわかったら?」と考えたら、こんなことが浮かびました。
- 正解がわかれば、すぐ成功する。
- 時間がムダにならない。
- 一発で決められる。
- 自信がつく。
- 完璧でいられる。
- 褒められる、認められる。
- モテる。
- お金を得られる。
- 名声を得られる。
……つまり、失敗しなければ痛みがないし、成功して得られる「うまみ」もあるのです。
成功とは、失敗を回避し、うまみを得られる一石二鳥のもの。
そりゃ、失敗するよりさっさと正解を求めるのが自然ですね。
正解を求める人たちの気持ちが少し理解できました^^
失敗は失ってばかりなの?
さて、失敗が悪者のように感じることはわかりました。
じゃあ、失敗って何の意味もないの? という話。
いいえ、失敗にも意味はあります。使い道があります。
「失敗談」という活かし方です^^
たしかに、正解を知れば成功率が格段に上がるでしょう。
でも、実際には学校の教科書だけでテストで100点をとれる生徒ばかりではありません。正解を知っていても、完全に成功できる人は少数です。
そこで重要なのが「失敗談」。
成功(正解)のように「失敗を回避してうまみを得られる一石二鳥」とまではいきませんが、失敗談は「失敗を回避する」効果を発揮します。
「失敗する確率を下げられる」と聞いたら、欲しがる人は多いです。
「多くの人がやってしまう、お風呂あがりに体調を崩す禁断のアレ!」
「みんな大好きなアレを料理に使いすぎると塩分の摂り過ぎに!」
「とび箱で頭から突っ込んでしまうのはジャンプする位置が悪かった!」
こんなふうにネタになります。
失敗しまくったら、人に喜んで語りましょう^^
失敗談も人の役に立てます。決してムダではないのです。
さっき挙げたこれらのものを、あなたの失敗談を聞くことで回避できるとしたら、お金を払う人も出てくるでしょう。
- 失敗したくない。完璧でいたい。
- 失敗したら恥ずかしい。
- 失敗したら誰かに迷惑がかかる。
- 失敗する自分を許せない。
- 失敗したら地位や信用を失う。
- 失敗したら時間がもったいない。
- 失敗したらお金を失う。
- 失敗したら自信を失う。
- 失敗したら体に傷を負う。
- 失敗したら心に傷を負う。
失敗談、価値があるのに体験しないのはもったいないです。
失敗を嫌うあなたへメッセージ
不安な気持ちや失敗を避けたいのはわかりますが、失敗したところで何も失うものはありません。
え、時間を失う? それは経験を得るために必要な時間だったわけで、失ったわけじゃないです。
何もしなくて過ごした時間こそが本当のムダで、経験を積むために過ごした時間は「失う」とは言いません。「投資」と言います。
成功するためにも時間は使いますし^^
一発で成功しちゃえば、成功談しか語れません。
でも、失敗してから成功すれば、失敗談も成功談もゲットです。
多くの人は、成功談ばかり語る完璧っぽい人より、失敗談も交えて語ってくれる人のほうを好みます。親近感が湧くからでしょうね。
ぜひ、「失敗談を集める!」くらいの気持ちでいろいろ取り組んでみてください。
なにか考えが浮かんだら、とりあえずやってみてはいかがでしょ?
それで思ったとおりの成果が出ればバンザイだし、成果がイマイチなら他の考えで再挑戦してみれはいいことです^^
「初めて作った味噌汁がしょっぱかったら、次に作るときは味噌を入れ過ぎないように気をつけよう」
再挑戦って大変なことじゃなくて、味噌汁を作りなおすくらいの気楽なものです。
個人事業ならそのくらい気楽にやってみればいいと思います^^
もし、気楽にいろいろやってみることができないなら、上司に管理された会社勤めの働き方が合っていると思います……。
長くなりましたが、個人事業主なのに失敗を恐れちゃう人や正解を求める人へのメッセージでした^^